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平成11年7月12日、日本原子力発電(株)敦賀発電所2号機で1次冷却水漏れが発生しました。このトラブルは、再生熱交換器の連絡配管において熱疲労による割れが生じ、そこから一次冷却水が漏れたというものでした。このトラブルでは、放射性物質は格納容器に閉じ込められ、外部に漏れることはありませんでした。
再生熱交換器は、高温の一次冷却水を浄化装置に適した温度に下げたり、浄化装置から原子炉に戻す水の温度を上げたりするものです。連絡配管に割れが生じた原因は、再生熱交換器が中に内筒を持つ構造であったことなどから、高温のバイパス流と低温の主流が交換器の出口付近で複雑に混合し、これる温度変動から配管や胴に膨張、収縮の力が長年にわたり繰り返し加わったことで、亀裂が発生・進展したと考えられています。
通商産業省(当時)では、再発防止対策として、今回のような熱疲労割れを起こさないよう、設計・施工における技術基準の見直しや割れを早期に発見できるように点検・検査を充実させる、また、漏えい発生時に漏えい量を一層低減するための運転管理面の見直し等についてまとめています。
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