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タービンを回し終えた蒸気は復水器で水に戻され、再び原子炉内に送られますが、このとき冷却用に大量の海水が使用されます。この蒸気を冷やすために使った海水は、取り入れたときの温度より6~7℃高くなって排水されるので温排水と呼んでいます。 温排水は、放水口から離れるにつれて大量の自然海水と混じりあい、また海面から大気への放熱で急速に熱を失い、自然海水の温度に戻ります。温排水の広がり方や広がる範囲は、水量、温度、放流の方式、気象条件、地形、潮流などによって異なります。
福井県水産試験場などでは、温排水の広がり方や、温排水が海産生物にどのような影響を与えるかなどの調査を行っています。
調査によると、現在のところ、漁業生産に対し、特に目立った影響は認められないとしています。
魚介類は、最適水温で飼育すれば、えさをよく食べ早く成長することが分かっています。そこで、発電所の温排水を利用した魚介類の増養殖の技術開発が各地で研究されています。福井県でも、県水産試験場をはじめ、原子力発電所の立地市町や漁業協同組合などが試験・調査を実施しています。
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