あっとほうむ No.215
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2原子力トピックス原子力政策の明確化を国に提言 国の総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会の原子力小委員会が2月24日、経済産業省で開催されました。 委員として、オンラインで小委員会に出席した杉本知事は、昨年10月に閣議決定されたエネルギー基本計画において、原子力の将来的な規模や道筋が明らかにされていないことを指摘した上で、3年後の計画見直しまで待たず、原子力のさまざまな課題をしっかり議論し、方向性を出していくべきであると意見を述べました。 また、知事は▼国が立ち上げた「福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議(P4参照)」について、〝立地地域の将来像づくり〞における全国のモデルケースとなるよう、政府一体となってスケールの大きな取り組みを提案すること▼「もんじゅ」周辺地域を中核的拠点として位置付けた高速炉研究開発の政府方針について、構想を早期に具体化し、国内の研究基盤を充実すること▼使用済燃料の中間貯蔵施設の県外立地について、国が政策当事者として、目に見える形で行動し、確実に実現することなどを国に求めました。 会議では他の委員から、2050年カーボンニュートラル実現に向け原子力を明確に位置付けることや、人材・技術・産業基盤の維持の必要性、国民理解の重要性、革新炉・新型炉の開発等について、意見が出されました。 国は各委員の意見を踏まえ、原子力政策のさまざまな課題について、具体化に向け引き続き議論していくこととしています。オンラインで原子力小委員会に出席する杉本知事新年度予算案を文部科学省が県に説明 文部科学省の堀内義規大臣官房審議官が昨年12月24日、県庁を訪れ、高速増殖原型炉もんじゅおよび新型転換炉原型炉ふげんに関する2022年度の政府予算案について、櫻本副知事に説明しました。 「もんじゅ」の予算案では、施設の維持管理や廃止措置にかかる経費として、今年度と同額の179億円が計上されました。「ふげん」の予算案では、使用済燃料の搬出、施設の解体、維持管理等にかかる経費として93億円が盛り込まれました。また、敦賀エリアにおける原子力研究・人材育成の取り組みとして、「もんじゅ」サイトを活用した試験研究炉の設計にかかる経費4億円等が計上されました。 堀内審議官は「もんじゅ」について、ナトリウムは2028年度からイギリスへの搬出を開始すること、使用済燃料はフランスでの再処理を基本として他の選択肢も検討中であることを説明。また、「ふげん」の使用済燃料について、2022年度当初にフランスのオラノ社との間で輸送や再処理に関する契約を締結し、2023年度から2026年度の夏頃にかけて搬出する予定であることなどを説明しました。 説明を受けた副知事は堀内審議官に対し「『もんじゅ』『ふげん』の使用済燃料の海外搬出に当たっては、政府間の調整も必要になる。関係省庁と連携し、国が責任を持って主体的に取り組んでほしい」と要望しました。「もんじゅ」「ふげん」堀内審議官(左)から説明を受ける櫻本副知事(右)よし のり

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