あっとほうむ No.209
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5小型無人機 「ドローン」とは、操縦士が機体に乗らない無人の小型航空機全般を指す言葉です。写真のように胴体にアームとプロペラが付いているものは「マルチコプター」と呼ばれ、高性能なモーターや各種小型センサーの普及、軽くてエネルギー密度の高いバッテリーの登場などにより、近年、急速に普及しています。 マルチコプター型のドローンは、風に吹かれてバランスを崩しても自動で姿勢を制御したり、GPSを利用して指定した場所まで自動で飛んだりすることもできます。そのため、従来のラジコン飛行機やヘリコプターに比べて精密なコントロール技術が必要なく、簡単に操縦することができます。 大きさも、手のひらサイズから幅が1mを超える産業用のものまで、多くの種類があり、報道や設備点検などの用途で利用されているほか、宅配や警備など、さまざまな分野での活躍が期待されています。空飛ぶロボット災害現場で活躍するドローン!北海道地震の空撮写真美浜原子力緊急事態支援センター 災害現場でもドローンは活躍します。大きな火災や火山の噴火口、地震発生直後の被災地など、人が入れない場所でも、空中から撮影することで状況を把握し、初動対応などを判断する材料になります。 また、原子力の分野でもドローンの導入は進められています。美浜町にある美浜原子力緊急事態支援センターでは、原子力災害が起きたときに備えて、2台の大型ドローンが配備されています。この大型ドローンには通常のカメラに加え、温度を調べる赤外線カメラや放射線の量を測る測定器などが搭載されています。2016年の熊本地震や昨年の北海道地震では、被害状況の把握にドローンが使われました。ドローンの頭脳となる場所。各種センサー、コンピューター、電源などで構成され、機体制御を行っています。衛星からの信号を受けて位置を把握するGPSセンサー、向いている方角を検知する磁気センサー、機体の姿勢を把握するジャイロセンサーなどが搭載されています。リチウムポリマーバッテリースマートフォンなどにも使われている、軽さと充電量の多さが特徴のバッテリーです。バッテリーがより軽く高性能になるほど、ドローンの飛べる距離が広がります。センサーで把握した機体の傾きや高度、コントローラーから送られた信号に合わせてモーターの回転数を制御しながら飛行します。飛んでいる間に機体自らが回転しないよう、隣り合うモーターは逆回転となるように取り付けられています。現在、製造・販売されているドローンのほとんどには、空撮用のカメラが搭載されています。4K画質(長辺の画素数が約4000)のカメラを積んだ製品も多く、上空100mからでも鮮明な撮影が可能です。反時計回り反時計回り時計回り時計回り各種センサーオートパイロット・フライトコントローラー機体は傾いていないかな?これがドローンだ!離陸から着陸まで、完全な自律飛行が可能なほか、操作飛行時に信号が途絶えた場合は、自動で離陸地点に帰還することができます。徹底リサーチ! 新時代のテクノロジー3Dプリンターに仮想現実(VR)、人工知能…近年、新しい科学技術がどんどん実用化され、私たちの生活にも身近なものになりました。暮らしを便利にしてくれる技術の裏側は、どんな仕組みになっているのでしょうか。ヴァーチャルリアリティー最大幅は89cm、総重量5.2kgの大型ドローンだよ大型ドローンドローン!方角は大丈夫?プロペラ&モーターカメラ広い意味ではラジコン飛行機やヘリコプターもドローンに含まれるよ!

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