5徹底リサーチ! 新時代のテクノロジー3Dプリンターに仮想現実(VR)、人工知能…近年、新しい科学技術がどんどん実用化され、私たちの生活にも身近なものになりました。暮らしを便利にしてくれる技術の裏側は、どんな仕組みになっているのでしょうか。ヴァーチャルリアリティー Virtual Reality(VR)とは、日本語で表現すると「仮想現実」。専用のゴーグルを装着することで、ディスプレイに映し出された仮想の世界に、自分が実際にいるような体験ができる技術です。技術!!VR360度カメラ2つのレンズを付けた一般向けの安価な機種から、20台以上の高性能なカメラを組み合わせたプロ仕様の機種まで、さまざまな種類があります。専用ディスプレイとカメラで仮想空間を創造! VRからさらに進歩し、自分の手や体の動きなどを仮想空間に投映して、物をつかんだり、動かしたりすることもできます。このような技術は、仮想現実と自分の体を複合(Mix)させることから、Mixed Reality(MR)や「複合現実感」と呼ばれています。 敦賀市にある日本原子力研究開発機構のスマデコ施設※では、現在、廃止措置が行われている「新型転換炉原型炉ふげん」の作業現場を仮想空間に再現し、地元企業がMR技術を使って廃止措置を疑似体験できる仕組みを開発しています。 これにより作業手順の事前確認や、放射線量の高い場所での作業をあらかじめ確認し、より安全で効率的な廃止措置作業を可能にします。MRで発電所の廃止措置を疑似体験! VRで見る映像は、頭や体の向きを変えたときに上下左右、背面の景色も見える360度映像です。 360度映像は、複数のレンズを持つ360度カメラで撮影して作ります。そして、視界全体を覆うゴーグル型の画面「ヘッドマウントディスプレイ(HMD)」を着けて視聴すると、まるで自分がその場に居るかのようにリアルな仮想空間を体感できます。仮想世界へひとっ飛び!撮影した2つの映像を、コンピューターで合成すると球体状の1つの映像になるよ。これをヘッドマウントディスプレイで見ると、仮想空間のでき上がりだ!実際に使用する電動工具を持ちながら、HMDを装着することで、廃止措置作業を疑似体験できます。HMDを装着した体験者は、仮想空間の中で自分の両手や工具などを自由に動かすことができます。MR技術を応用すると機械の分解や組み立て、手術など、実際に体験できる機会が少ない複雑な作業を仮想空間で繰り返し練習でき、技術の習得が簡単になります。※ふくいスマートデコミッショニング技術実証拠点の略ヘッドマウントディスプレイ(HMD)VRを視聴するための専用ディスプレイです。物の動き方や向いている方角を検知するジャイロセンサーが入っており、頭や体の動きを検知して表示する映像を変化させます。スマートフォンを使って右のQRコードを読み込んでみよう!あっとほうむ館内の360度映像を見ることができるよ!(ヘッドマウントディスプレイが無くても視聴可能です。)合成表面裏面360度カメラのレンズには広い範囲が撮影できる魚眼レンズが使われているよ。全体が丸みを帯びて見えるね。ヴァーチャル リアリティーミックスド リアリティー
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