あっとほうむ No.205
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To picsnuclearenergy原 子 力 トピックス 8月30日、日本原子力研究開発機構は、高速増殖原型炉もんじゅの廃止措置の第1段階となる燃料取り出し作業を開始しました。 これに先立ち、8月28日に原子力機構の児玉敏雄理事長は県庁を訪れ、作業の実施体制や計画について、西川知事に報告しました。これに対し知事は、理事長が先頭に立って現場の士気を高めるとともに、不具合があった場合、その内容や意味、対応について責任ある立場の者が、県民や国民にわかりやすく伝えることを強く求めました。 また翌29日には、知事は文部科学省の新妻秀規大臣政務官と面談し、原子力機構を単に指導・監督するだけでなく、政府一体となって廃止措置に取り組むことを求めました。 これに対し新妻政務官は、「今後も廃止措置の安全を大前提に、着実かつ計画的に進めていくため、政府一体となって取り組んでいく」と回答しました。2●廃止措置の作業工程のマネジメントをしっかり行い、最初の工程となる燃料体の取り出しを安全・確実に実施するという、強い覚悟で取り組むこと●敦賀市に頻繁に足を運び、現場の士気を高めながら、先頭に立って作業を進めること●不具合があった場合に、その内容や意味、対応について責任ある立場の者が、県民や国民にわかりやすく伝えること児玉原子力機構理事長への主な要請事項●「廃止措置評価専門家会合」等の意見を聞き、課題解決のための検討を行い、国の責任において地元にしっかり説明すること●現場でのさまざまな課題に対応できるよう、早急に現場の人員体制を強化すること●今年中に、使用済燃料の再処理可能な施設やナトリウムの再利用方法など、処理処分の方策等を示すこと新妻文部科学大臣政務官への主な要請事項原子力機構の児玉理事長(左)と面談する西川知事(右)原子力原子力原子力原子力原子力原子力「もんじゅ」の燃料取り出しは、どのように行うの?ナトリウムが空気に触れないよう、専用の設備を用いて、遠隔操作により行います。燃料取り出し作業を開始高速増殖原型炉もんじゅ 「もんじゅ」の冷却材に使われているナトリウムは、空気や水に触れると、発熱・発火する恐れがあるため、燃料に付着したナトリウムが空気に触れないよう専用設備を用いて、遠隔操作により燃料を取り出します。その後、ナトリウムを洗浄した上で、燃料缶詰装置を使って缶詰缶に封入し、燃料池へ移送します。 「もんじゅ」の燃料取り出し作業は、①原子炉容器内の燃料を炉外燃料貯蔵槽に移送する作業と②炉外燃料貯蔵槽の燃料を燃料池まで移送する作業に分かれており、原子力機構は現在、炉外燃料貯蔵槽に保管されている燃料160体のうち100体を今年中に燃料池に移送するとしています(②の作業)。その後、①の作業と②の作業を行い、2022年度までの5年間で530体すべての燃料を取り出すこととしています。図面提供:JAEA燃料洗浄装置①原子炉容器から 炉外燃料貯蔵槽への移送燃料缶詰装置燃料出入機原子炉容器ナトリウム国・原子力機構に対し、安全・着実な廃止措置の実施を要請燃料池炉外燃料貯蔵槽燃料160体燃料370体原子炉格納容器②炉外燃料貯蔵槽から 燃料池への移送
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