安管協リポート
第178回福井県原子力環境安全管理協議会が3月27日、原子力の科学館「あっとほうむ」で開かれました。
概要は次のとおりです。
定例議題
①原子力発電所周辺の環境放射能測定結果(平成23年10月~12月)
連続空間放射線量率
・この期間中、放射線の測定結果に異常は確認されず、原子力発電所の運転による環境安全上の問題はなかった。
環境放射能測定結果
・陸土、指標植物、松葉、降下物および海産食品の一部から、福島第一原子力発電所事故の影響と考えられるセシウム134とセシウム137が検出されたが、環境安全上問題となるレベルと比べ、はるかに低い濃度であった。なお、検出された頻度、検出濃度とも減少傾向にある。
②原子力発電所から排出される温排水調査結果(平成23年10月)
おおい町大飯海域、高浜町内浦海域で、水温と塩分測定を実施した結果、温排水の表層の到達距離は放水口からそれぞれ4.5㎞と8.0㎞で、これまでの拡散範囲(0.5~15.0㎞)の範囲内であった。
③原子力発電所の運転および建設状況(平成24年1月~3月)
特別議題
福島第一原子力発電所事故に係る対応状況について
・原子力安全・保安院によるこれまでの検討(意見聴取会における審議状況)
・福島第一原子力発電所事故を踏まえた原子力災害時の初動体制等に係る追加安全対策について
・大飯発電所1号機の安全性に関する総合評価(一次評価)について
高速増殖原型炉もんじゅについて
・炉内中継装置の落下に係る原因と再発防止対策および炉内への影響評価
主な意見
Q:関西電力は、福島第一原子力発電所事故を踏まえ、ストレステストの評価時以上に設備の緊急対策を実施していると聞いているが、本当か。
A:今日説明した内容は、昨年の11月時点における評価である。福井県内の各発電所の現在の状況は、福島第一原子力発電所事故で得られた知見を上回るように設備等の改善が行われており、現在もさらなる改善が進められている状況にある。(原子力安全・保安院)
Q:事故時における要員の参集体制について、県内の原子力発電所は、全て半島の先にあるため、橋の崩壊や崖崩れにより発電所へ至る道が途絶えた場合、どのように発電所への経路を確保するのか。
A:参集については、車が通れない場合は徒歩というケースも考えている。それ以外でも、発電所の近くにはヘリポートがあるので、ヘリコプターを使って要員を送ったり、船で要員を発電所に送るということも考えている。また、資機材の輸送についても、空路、海路など多様な手段を考えている。(関西電力)
発電所の運転状況
定検中 | 1号機 | 平成23年1月26日~ | |
定検中 | 2号機 | 平成23年8月29日~ | |
建設準備工事中 | 3・4号機 | ||
▲3・4号機建設予定地全景(平成24年5月29日現在) |
廃止措置中 | 平成20年2月12日、新型転換炉ふげん発電所から改組 |
建設中 | 性能試験中(炉心確認試験終了) |
定検中 | 1号機 | 平成22年11月24日~ |
定検中 | 2号機 | 平成23年12月18日~ |
定検中 | 3号機 | 平成23年5月14日~ |
定検中 | 1号機 | 平成22年12月10日~ |
定検中 | 2号機 | 平成23年12月16日~ |
原子炉起動 | 3号機 | 平成24年7月1日 |
起動準備中 | 4号機 |
定検中 | 1号機 | 平成23年1月10日~ |
定検中 | 2号機 | 平成23年11月25日~ |
定検中 | 3号機 | 平成24年2月20日~ |
定検中 | 4号機 | 平成23年7月21日~ |
http://www.atom.pref.fukui.jp/
福井県原子力安全対策課のホームページでは、福島第一原子力発電所の原子力災害に係る対応や県内の原子力発電所の運転状況、県の記者発表文などを公開しています。