文部科学省は福島第一原子力発電所事故による放射線の影響について、航空機(ヘリコプター)によるモニタリング調査を東日本の各県から順次実施しています。昨年10月に福井県で実施した結果は、空間放射線量と放射性セシウムの沈着量とも、県内の全域で最も低いレベルでした。
調査は航空機に大型で高感度の放射線検出器を搭載し、地上に蓄積した放射性物質からのガンマ線を広範囲に測定する方法で実施。本県では150~300mの高さから、直径300~600mの範囲を測定しました。測定結果は、地表から1mの高さの空間放射線量が県内全域で1時間あたり0.1マイクロシーベルト(μSv)以下で、放射性セシウムの沈着量が県内全域で1㎡あたり10000ベクレル(Bq)以下であり、いずれも最も低いレベルでした。
なお、これまで福井県が実施した県内の陸土や降下物試料などの放射能調査結果では、一部の試料から放射性セシウムがわずかに検出されましたが、環境安全上問題となるレベルに比べ、はるかに低い濃度でした。
私たちは毎日、自然界から自然放射線を受けています。このうち大地(地中)から受ける放射線は、地球の 誕生時から大地に含まれているウランやトリウムなどの天然の放射性物質から出される放射線です。雪が積もると大地からの放射線が遮られるので、空間放射線量は低くなります。