安管協リポート
第176回福井県原子力環境安全管理協議会が10月31日、原子力の科学館「あっとほうむ」で開かれました。
概要は次のとおりです。
定例議題
①原子力発電所周辺の環境放射能測定結果(平成23年4月~6月)
連続空間放射線量率
・この期間中、放射線の測定結果に異常は確認されず、原子力発電所の運転による環境安全上の問題はなかった。
環境放射能測定結果
・大気試料、降下物、海産食品および指標海産生物から、福島第一原子力発電所事故の影響と考えられるヨウ素131、セシウム134およびセシウム137が検出されたが、環境安全上問題となるレベルと比べ、はるかに低い濃度であった。
②原子力発電所から排出される温排水調査結果(平成23年4、5月)
敦賀市立石海域、おおい町大飯海域、高浜町内浦海域で、水温と塩分測定を実施した結果、温排水の表層の到達距離は放水口から2.3~5.1㎞であり、これまでの拡散範囲(0.5~15.0㎞)の範囲内であった。
③原子力発電所の運転および建設状況(平成23年7月~10月)
特別議題
①高速増殖原型炉「もんじゅ」について
②福島第一原子力発電所事故に係る対応状況について
主な意見
Q:関西電力が大飯3号機のストレステスト評価結果を国に提出したが、国の審査はどのように進んでいくのか。
また、結果が出る時期はいつか。
A:まず保安院としての評価を高めるために意見聴取会で専門家の意見を聞き、保安院が評価を進めることにしている。その過程においては、国際的な専門家にも評価や助言を受けることにしており、IAEAやOECDの専門家にも協力してもらえるよう調整している。国際的な評価あるいは意見聴取会の日程が絡むため、結果が出る時期は現時点では分からない。(原子力安全・保安院)
Q:定期検査を終了した発電所の再稼働について、県はどのように考えているのか。
A:事業者がストレステストの評価結果を出しても、どのような基準を満たせばいいかが決まっていないことが一番の問題である。福島で実際にどのようなことが起きたのかをきちんと分析し、福島1号機に対する影響、地震と津波の差について、現在わかり得る範囲を示し、当面の基準づくりをしていくことが重要である。(県)
発電所の運転状況
建設中 | 性能試験中(炉心確認試験終了) |
廃止措置中 | 平成20年2月12日、新型転換炉ふげん発電所から改組 |
定検中 | 1号機 | 平成23年1月26日~ | |
定検中 | 2号機 | 平成23年8月29日~ | |
建設準備工事中 | 3・4号機 | ||
建設予定地全景(平成23年12月26日現在) |
定検中 | 1号機 | 平成22年11月24日~ |
定検中 | 2号機 | 平成23年12月18日~ |
定検中 | 3号機 | 平成23年5月14日~ |
定検中 | 1号機 | 平成22年12月10日~ |
定検中 | 2号機 | 平成23年12月16日~ |
定検中 | 3号機 | 平成23年3月18日~ |
定検中 | 4号機 | 平成23年7月22日~ |
定検中 | 1号機 | 平成23年1月10日~ |
定検中 | 2号機 | 平成23年11月25日~ |
運転中 | 3号機 | 平成23年1月21日~ |
定検中 | 4号機 | 平成23年7月21日~ |
http://www.atom.pref.fukui.jp/
福井県原子力安全対策課のホームページでは、福島第一原子力発電所の原子力災害に係る対応や県内の原子力発電所の運転状況、県の記者発表文などを公開しています。