知っ得・なっ得「原子力」Q&A
SPEEDIとは、「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」の略語で、原子力発電所などから大量の放射性物質が放出されたり、その恐れがある場合に、住民の安全を確保するため、周辺環境における放射性物質の大気中濃度や被ばく線量などを、放出源情報、気象条件、地形データをもとに迅速に予測するシステムです。
緊急時には、日本気象協会から風向や風速など気象予報データと、常時収集している発電所周辺のモニタリングステーションからの放射線観測データなどをもとに、㈶原子力安全技術センター内の中央情報処理計算機で放射性物質の拡散予測を迅速に行うとともに、その情報を、国と立地道県、オフサイトセンターに送信します。
福井県では、県原子力環境監視センターと事業者が、原子力発電所周辺の放射線量や放射能の濃度を常に測定しています。また、福島第一原子力発電所の事故の影響がないかを調べるため、事故発生後の3月15日から大気中の環境放射能調査を行い、これらの測定結果を毎日公表しています。これまで(7月15日現在)の測定結果では、採取した環境試料の一部に事故の影響と考えられる放射性ヨウ素と放射性セシウムが検出されていますが、環境安全上の問題はなく、健康への影響もありません。詳細は次のとおりです。
(1)連続空間放射線量率の測定結果
県内81地点で24時間連続的に測定している空間線量率は、平常時の変動範囲内であり、異常は認められていません。(H22年度の変動範囲0.011~0.164μSv/h)
(2)環境放射能調査の結果
福井市と敦賀市(7月6日終了)で毎日実施している大気中の放射能調査や、定期的に発電所周辺で測定している放射能調査では、3月28日以降、ごく微量の放射性ヨウ素と放射性セシウムが検出されましたが、環境安全上の問題はなく、健康への影響もありません。
採取した環境試料のワカメ・ホンダワラ・ヨモギ・松葉などから検出された値は、いずれも食品衛生法に基づく暫定規制値*1と比較して十分に低く、環境安全上の問題はなく、健康への影響もありません。