福島の原子力災害を受けて西川知事が国に要請
大事故を踏まえた安全基準を示し、
それに基づく定期検査の実施を
【3月17日】
西川知事は、中山義活経済産業大臣政務官に対し、迅速・かつ正確な情報公開と、重要機器に係る安全性総点検の実施などを緊急要請しました。これに対し中山政務官は、情報をすべて開示し、説明を行っていくと答えました。
【4月19日】
西川知事は海江田万里経済産業大臣に対し、「これまでに明らかになっている原因と対策をもとに、暫定的に新たな安全基準を示し、それに基づいた定期検査を行い、事業者の対応を厳格に確認し、その結果を県民に分かりやすく説明すること」を強く求めました。
これに対し同大臣は、「県民が納得できるような形をつくりしっかりと説明していく」と述べました。
▲海江田経済産業大臣に要請する西川知事(右) |
【3月17日】
●原子力災害の早期収束と情報公開の徹底
●原因究明と県内発電所の安全確保対策
●災害時の被害想定と避難範囲の見直し
●日本海側の地震・津波の再検証
●防災道路の早期整備
【4月19日】
●事故を踏まえ、暫定的に新たな安全基準を示すこと
●次のような安全基準に関わる項目について明らかにし、実行すること
・確保すべき電源の容量を備えた電源車と燃料等を整備
・原子炉冷却のための消防ポンプとホースを整備
・使用済燃料貯蔵プール冷却のための消防ポンプとホースを整備
・安全上重要な機器の特別点検と設備改善
・運転開始後40年を経過した発電所を検査し結果を公表
●安全性の更なる向上のため事業者が計画した内容を評価すること
・安全上重要な機器の多重化や津波の高さの見直し
・使用済燃料プール、燃料取扱建屋など必要な耐震補強を実施
●今回の事故の新たな知見と他の発電所の安全確保対策を反映すること
・高経年化プラントの安全対策に反映
【3月23日】
副知事は、文部科学省の清水潔事務次官に対し、今回の地震・津波に対して、高速増殖炉としての固有の課題の有無について、早急に検証することなど緊急要請しました。
●「もんじゅ」の安全確保について
・専門の委員会を設置し、電源喪失時の炉心や配管の影響について、調査検証と対応策を検討
・炉内中継装置の早期復旧
・可搬式発電機の設置など安全システムを強化
・緊急時の支援体制を整備
●環境放射能測定器の耐震安全性を強化
●日本海側の地震・津波の発生解明
▲国から安全対策について説明を受ける満田副知事(左)
原子力安全・保安院の黒木審議官は6月21日、満田副知事に対し、福井県内の原子力発電所について、運転の継続や再開に安全上支障はないと説明しました。
しかし、これまで国が示した対策は、電源車、ポンプ車、消防ホースの配備などの短期対策と津波だけに偏った応急対策の一部に限られています。また地震対策や高経年化プラントの対策が未だ不十分なことや、浜岡原子力発電所のみに運転停止を要請し、他は安全とした根拠がはっきりしていないことなど、重要な課題が残されていることから、県としては、国が、これらの課題に真摯に取り組み、立地地域の十分な理解を得ることが重要であると考えています。