やさしい原子力 そうなんだ!原子力2021
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地震と津波の影響で、電気が全てなくなり、原子炉を冷やすことができず事故が発生しました。地震と津波の影響で、電気が全てなくなり、原子炉を冷やすことができず事故が発生しました。7福島第一原子力発電所の状況原子力発電所は、運転停止後も燃料の中に、核分裂でできた物質があり、これらが熱を出し続けます。その熱を取り除くために燃料を冷やし続ける必要があるのです。福島第一原子力発電所の被災状況被災前の運転状況運転中定期検査中施設への影響津波の高さ11.5~15.5m敷地の高さ10m13m海水ポンプ外部電源(送電線)地震で機能が喪失した津波で機能が喪失した各号機で時間は異なるが最終的に喪失した喪失※1(その後復旧)起動したが、津波により使用不能になった(6号機の空冷式は高台にあり健全※1)原子炉建屋で水素爆発原子炉建屋で水素爆発3号機で発生した水素が4号機に入り、原子炉建屋で水素爆発冷却機能建屋の状況非常用電源(非常用発電機)1号機2号機3号機4号機5・6号機※1…6号機の非常用発電機からの受電により、5号機の原子炉の水位や圧力を制御できた。この間に海水ポンプの代替となる 水中ポンプを設置したり、電源車を追加してポンプを動かしたりすることで冷却機能を復旧した。※2…2号機は、水素爆発には至らなかったが、1~4号機の中では環境への放射性物質の放出が最も大きかったと推定されている。水を入れないと、どんどん減って空だきになっちゃうね。※2水素爆発により原子炉建屋上部が壊れているため、がれきの撤去作業を実施中。今後、建屋を覆う大型カバーを設置し、2027~2028年度に使用済燃料の取り出しを開始する予定。また、燃料デブリ(溶けて固まった燃料)を調査するため、格納容器にロボットを通すための孔(あな)を構築中。原子炉建屋は壊れていないものの内部の放射線量が高いため、建屋の側面に構台を建設し、使用済燃料取り出し用の設備を入れる計画で、2024~2026年度に搬出を開始する予定。ロボットにより格納容器内部が確認できており、今後燃料デブリを試験的に取り出す予定。原子炉建屋に大型カバーを設置し、2019年4月から使用済燃料取り出しを開始し、2021年2月に完了。2014年12月に全ての使用済燃料の取り出しを完了。(事故発生時に停止中であったため、燃料の取り出しは使用済燃料プールのみ)タンク海水ポンプ→タービンへ←復水器から放水口取水口←→海水蒸気駆動ポンプ燃料…停止後も熱を出し続ける電源喪失送電線非常用発電機機器の状態を監視する計器 イメージ図)原子炉に水を送り込む系統(事故当時)(現在)大型カバーを設置燃料の熱で高温となり水は蒸発するが、注水・除熱ができず水位が低下1号機2号機3号機4号機格納容器格納容器使用済燃料プール原子炉容器原子炉容器使用済燃料392体615体566体1535体1号機2号機3号機4号機済済(取り出し完了)(取り出し完了)水中ロボットにより格納容器の下部に堆積物や原子炉内の構造物等を確認しており、燃料デブリの取り出しに向け、設備の設計や手順等を検討中。(2021年2月末現在)燃料デブリ

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