2011年3月11日に発生した福島第一原子力発電所の事故は、どうして起こったの?2011年3月11日に発生した福島第一原子力発電所の事故は、どうして起こったの?6 2011年3月11日14時46分、岩手県沖から茨城県沖の広い範囲を震源域として、マグニチュード9.0の地震が発生しました。事故の経緯事故の経緯地震発生地震発生 福島第一原子力発電所が位置する大熊町と双葉町では震度6強の揺れとなり、運転中であった1~3号機の原子炉は制御棒が自動的に挿入され、すべて自動停止しました。■原子炉が自動的に停止 同日15時27分、敷地高さ約10mを超える津波が押し寄せ、屋外の機器が冠水し、建屋内にも水が入りました。(最大浸水高15.5m)津波到来津波到来•原子炉を冷やすことができなくなったため、原子炉内の水位が低下し、燃料が露出した。•燃料が高温になって、燃料の被覆管の材料と水が化学反応を起こし、大量の水素が発生。同時に、燃料が溶けたことにより、燃料の中の放射性物質が漏れ出した。•原子炉と格納容器内が高温・高圧となり、気密性が失われ、放射性物質とともに水素が格納容器外に漏れ出した。•原子炉建屋に大量の水素がたまったため爆発が起こった。このような過程により、大気中に放射性物質が放出されることとなった。 地震の影響で、発電所につながる変電所が損傷し、送電鉄塔が倒壊するなど、電気を受電できない状況でした。しかし、発電所内の非常用発電機が起動し、電気が供給されました。■外部からの電気の供給が途絶えたため、発電所内の非常用発電機が起動原子炉内の燃料が溶融し、1・3・4号機の建屋内で水素爆発が起き、建屋が損傷すべての 電源機能 、 冷却機能 が失われた。なぜ冷やす必要があるの?なぜ冷やす必要があるの?格納容器制御棒熱交換器原子炉容器原子炉容器電動ポンプ電動ポンプ↑↑※熱交換器=温かい水と冷たい水を金属が隔てており、効率的に熱を移動させる機器。開閉弁冷却系統のポンプ福島第一原子力発電所事故時 (除熱機能非常用発電機、配電盤やバッテリーなどが水没し使えなくなった。 ↓原子炉をはじめ様々な 機器の状態(温度、圧力等)監視 や 冷却系統のポンプ 、 開閉弁を動かすための電気がない状態となった。 ↓原子炉に水を送り込む系統 が停止海水を取水する 冷却用の海水ポンプ ※(敷地高さ約4mに設置)が冠水し使えなくなった。 ↓原子炉の熱を外に逃がす熱交換器が使えないなど除熱機能が失われた※非常用発電機を冷却するための海水ポンプも冠水し使えなくなった。(非常用発電機は、車のエンジンと同じように冷やさなければ動かし続けられないため、発電所では海水や空気で冷やしている。)屋 外建屋内やさしい原子力やさしい原子力やさしい原子力やさしい原子力福島第一原子力発電所事故の概要福島第一原子力発電所事故の概要
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