やさしい原子力 そうなんだ!原子力2021
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13放射線による人体への影響は、受ける量によって違います。放射線による人体への影響は、受ける量によって違います。体内、食物中にある自然放射性物質体内、食物中にある自然放射性物質宇宙から、空気から、大地から宇宙から、空気から、大地から食品中の放射性セシウムの基準値食品中の放射性セシウムの基準値福島第一原子力発電所の事故後、厚生労働省が食品中の放射性物質に対する基準値を設定しました。基準値の範囲内であれば、放射性物質を含む食品・飲料水を毎日飲食しても健康に影響はありません。●地球には、宇宙や太陽から飛んで来る放射線が常に降り注いでいます。これらは宇宙線と呼ばれ、その放射線の量は、地上からの高度が高くなるほど多くなります。これは、上空に行くほど空気が薄くなり、宇宙線をさえぎる力が弱くなるからです。●空気中には、ラドンという気体の放射性物質があります。ラドンは、大地やコンクリートなどにわずかに含まれている放射性物質のラジウムから生まれる気体で、私たちは呼吸によって体内に取り込んでいます。●大地には、ウランやトリウム、カリウム40などの自然の放射性物質が含まれています。大地からの放射線の量は、岩石や土に含まれる放射性物質の量によって変わるため、地域によって差があります。ベクレルで示された量は、実効線量係数を使ってその影響をシーベルトに換算することができます。右の換算式を使うと、食品や飲料水に含まれている放射性物質から受ける放射線による人体への影響を推定することができます。■食物中のカリウム40の放射性物質の量カリウム40 4,000ベクレル炭素14 2,500ベクレルルビジウム87 500ベクレル鉛210・ポロニウム210 20ベクレル 合計 7,020ベクレル(体重60kgの 日本人の場合)(日本) (単位:ベクレル/㎏)生ワカメ200干しこんぶ2,000干ししいたけ700ほうれん草200ポテトチップス400牛肉100ビール10米30牛乳50食パン30魚100出典:「原子力・エネルギー」図面集2016出典:厚生労働省医薬食品局食品安全部■体内の放射性 物質の量■食品1キログラムあたりの 放射性セシウムの基準値(単位:ベクレル/㎏)単位の換算単位の換算食品群基準値飲料水・飲用水10牛乳・乳飲料一般食品野菜類、穀類、肉、卵、魚、乳製品、その他50乳児用食品50100●セシウム137の例■ベクレルから シーベルトへの換算1000.040.013365日18.98※×××=体重1㎏あたり117ベクレルだね(7,020÷60)※18.98マイクロシーベルト=0.01898ミリシーベルト食品や飲料水に含まれるセシウム137の濃度実効線量係数(右の表から)セシウム137から受ける影響実効線量係数(マイクロシーベルト/ベクレル)乳児(3カ月)セシウム1370.02幼児(1歳)0.012子供(2-7歳)0.0096成人0.013飲食した量㎏ベクレル/㎏100ベクレル/㎏のセシウム137が検出されたほうれん草を、仮におひたしにして1日に1回1年間食べた場合、成人が受ける放射線の影響は・・・飲み物や食べ物の中にも自然の放射性物質が含まれています。主なものはカリウム40という放射性物質で、自然界にあるカリウムには必ず0.012%程度含まれています。カリウムは私たちの体に欠かせない栄養素であり、野菜などを食べることで摂取しますが、汗や尿などで排出されるので、体の中のカリウム全体としては0.2%の割合で保たれており、そのうち放射性物質のカリウム40は約0.000024%です。こうした体内にある放射性物質からも私たちは放射線を受けています。

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